2009年9月21日月曜日

本そのに

『差分』佐藤雅彦

同筆者の著書の『プチ哲学』を最近借りて読んだので、図書館で借りてみた。
時間という軸を考えなくても、AとBの2つの絵を見ることで、人間はA、Bどちらにもない新たなイメージを自分の中に作ってしまう、ということについて。
確かに。
ぱらぱらマンガとは違うのは、ページを短時間のうちに連続でめくるという時間軸を考えていないこと。
でも、この「差分」と名付けられた現象は、誰もが一度はこの本を読む前にどこかで体験したことがあるはず。
でも、体験したときにそれを筆者みたいに疑問を持たずに、やり過ごした。
いちいち疑問持ってたら、日常生活に支障をきたすからそうしないように脳が処理しているのかもしれない。けどその当たり前に自分で問題提起して、追及すること、が難しいんだろうと思った。

私は昨年ことばと脳の認知科学の授業を履修していた。この本にもこの人間の処理のメカニズムを脳の観点から茂木さんと解明するくだりもあった。
脳の視点以外に、表現の新たな手法としても興味をそそる分野らしい。
あんまり深く理解できていないなと思ったけど、点の集合から、その作品の題名を想像するのは、ぼーっと眺めるだけじゃなくてある程度頭がさえてないとできないから、おもしろかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿