2009年9月21日月曜日

本そのよん

『地震の癖』 角田史雄

これまで、地震のメカニズムとして定着していた「プレート説」を覆す新たな理論。
私は知識が全然足りないから、これを読んでどっちが正しいのかは判断できないけれど新鮮だった。

地球の表面を覆っているプレート同士が、一方の下に潜り込んだり、押されたりして、エネルギーがたまっていたところに、一定の力を越えてしまうとそのエネルギーが外に放出されて、プレートのつなぎめで地震が発生する。―――というのがかつてのプレート説。理科の教科書にもそう説明されていた。

筆者が地質学的な立場から提唱するのは、
地震は「マグマの活動」によるものとする考え方。
簡単に言うと、地球内部で、高温の熱が運ばれ、熱だ通るたびに岩盤を膨らませて破壊し、地震を起こす。というもの。また、地球はぶよぶよした不安定な岩石層のうえに、区切られたブロックのような岩石層が乗っていて、熱が通って暖められるとぶよぶよが動いて、その上の岩石層が動いて地震が発生する。だから、深層の地震が起きてから浅い地震が起きるという統計につながる。

熱はある程度の周期を持って動いていて、その動く範囲はバイカル変動(10~7億年前にマグマの生産量が増えて、高温化がおこり、岩石層が押し上げられて焼かれ、切れ、曲げられた大変動)によってできた断層面にそって移動する。東アジアのルートには
スマトラ 中国のSCルート
フィリピン 日本のPJルート
マリアナ 日本のMJルート の三つがある。
日本と入っていることからわかるように、日本もこの熱の通り道の上にあり、道はつながっているから、遠く異国で起きた地震も日本に関係してくるということ。

そしてこれらの熱は地震と火山の噴火の両方の説明に関係する。
地下での熱移送が地震の原因とすると、マグマ・火山活動こそが中心で、地震活動はそれに伴う現象と説明される。熱が岩石を膨張させて、押し上げ、割れ目を生じさせて噴火させる。地震も。これをVE過程と筆者は呼んでいる。
(ちなみに、プレート説では、海洋プレートが衝突・沈み込みによる圧力でマグマ溜まりが圧縮され、マグマ上昇で噴火とされていた)

ちなみに火山は、割れ目を生じさせてからその上にあるものを噴出させるので、地震(単位:ME)よりはるかにはるかに大きいエネルギー(単位:MV)を持っている。
MV9.0はME9.5の1000倍だって!!
ME6.0は広島の原子爆弾と同じ規模。
ちなみにMEの数字が一つあがると32倍のエネルギーということ。

イメージでしか理解できていないと思うけど、最後に日本の地域別の「地震の癖」が書かれている。
ちなみに関東は、
①40年くらいの周期で、フィリピンからMJルートを通って伊豆諸島などの富士火山帯に熱がやってくる
②この熱が富士火山帯の地下をあたため、地面を隆起させることで、関東地方の地塊を動かす
③それが地震を発生させる
※10数年周期の中小規模と40年周期の大きなものがある。ルートは同じ

だそうです。
興味深かった。

自分が小さかった時は地震関係の本は怖くて全く読めなかった。「大地震が教室を襲った日」みたいなタイトルの児童書が人からもらった本のうちの一冊にあって、家の本棚に並んでいたけど、その背表紙を見るのも怖かった。何年間も、夜は毎晩「神様、仏様、今日も明日もどんな地震も来ませんように」って心の中で唱えてから寝てた。唱えなかったらそのせいで地震が来るような気がしたから。しかも地震は地球のことだからいろんな神様にお願いしてもきっと喧嘩しないで助けてくれるって思ってた!
最近ではこうやって仕組みについて本読めるようになった。そうやって変わっていくことが大人になることなのかな。それなら、悪くないと思ったり、思わなかったり。


ちなみにこの本を読むときは、読みながら自分で問題を作って、あとからその問題を解いて知識になったかチェックした。だって小説みたいに読んでもその場限りですぐ忘れちゃうんだもん

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